原発事故と「有事の家庭菜園」
前回、春の訪れを「さくら」に託してブログを書いた。春を感じさせるものが他にもある。俺の畑が一面黄色く色づくのだ。秋から冬にかけて育てて収穫が追いつかなかったカブや小松菜、白菜等のアブラ科の野菜が春を感じていっせいに花を咲かせるのである。
それと、俺のブログの訪問者が急激に増えると春を意識するようになる。家庭菜園を始める人達が俺のブログを見るのだ。家庭菜園の、オフシーズンの冬の間は1日100人程度。それが3月には200人を超え、そして5月には500人に達する。そして11月末まで多くの人達が訪れてくれる。
止めるとか、休むかとかいっても春になるとブログを再開するのはこの訪問者達に推されてである。昨年はブログを投稿していないなかでも多くの人に見ていただいた。
今年は年明けからブログを書いていたのは感謝を込めて秋から冬にかけて試した新顔野菜や新品種を投稿する予定であったからだ。でも、結局時間が取れずそれも叶わなかった。
『家庭菜園以外も書くよ』とタイトルに書いているが『… 以外』ばかりになってしまった。そこで家庭菜園の冬の様子を報告することにする。
手抜きと油断でここ数年失敗していたダイコンは初心に帰ってちゃんと耕して、畝を作ったら食べきれないほど出来た。菜園仲間に配ったが女房が家に週の半分はいないので30本近くは白い花を咲かせてしまった。
山芋も回収していた種芋を止め、サカタのタネからタネ芋を購入して栽培したらたくさん出来た。今回は出来の良いものを食べずに今シーズンのタネ芋に残すようにした。たぶん大丈夫だろう。
詳しくは言えないがカブ、小松菜、ホウレン草をたくさん栽培してある試験をしていた。試験の都合上、収穫は2月末からトウ立ちする寸前の3月末まで行っていた。食べきれない野菜をそのまま畑に戻すのも忍びないので会社に持ち込み家族持ちの同僚達に配った。
毎週、採取して配った。売り物と違い『味がある』、『甘い』と言われた。家庭菜園しているものとしては嬉しい言葉だがこれらの野菜はすでに旬は過ぎ、家族には飽き飽きされていた野菜であった。
そこに、大震災、津波、原発事故と世界中を震撼される事態が起きた。野菜の供給が途絶え、回復したと思ったら放射能被害で野菜が安心して買えなくなった。
また、俺の野菜が会社でも家族の間でも大人気になった。
三女が俺のパソコンに「安心、安全、ソラドン」のシールまで作ってくれる始末だ。
今週の日経ビジネス「食が危ない」と表紙にも踊っている。数年前に起きた中国野菜残留問題以上の影響だ。放射能の影響かどうか分からないが俺のブログもいつも以上に訪問者が押し寄せている。
「有事の家庭菜園」である。金と同じ位置づけである。
普遍で希少性の金は戦争、大災害と人の信頼関係が崩れたときに不安に付け込み人気化する。
でも、家庭菜園では食の全てはまかないきれないのだ。太陽光発電で一軒の家がまかないきれないのと同じである。
今、猛烈な勢いで太陽光発電の家庭への売込みが起こっていると聞く。でも、今の性能、安定性では発電所には及ばない。
必要は発明の母と言う。今後、自然エネルギー開発に本気で世界中が向かうだろう。でも、花開くのはまだ、先のことだと思う。
それまでは、日本では昔の火力発電再開、環境の負荷の少ない原料を使った新火力発電、地域間で融通できるシステム。でも足りない。今ある原子力発電で凌ぐしかない。もちろん節電は不可欠だ。東電を叩きのめしても始まらない。代りがいないのだから。
繰り返すが家庭菜園だけでは「食の安全は保てない」。
我々が出来る事はある。
風評被害で苦しむ農家を救う。まず、彼等から購入する事だ。
お金のある人は日本の為に溜め込んだ金を使う事だ。
そして元気を取り戻す事だ。
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