昨夏、畑に置いていた脚立を盗まれた話を書いた。
あとで分かったことだがナス、キュウリ、トマトも盗まれていたのだ。野菜泥棒対策も考えなければならないと思った。
長ナス「飛天長」はかなりの量をやられ、昨夏は飽きたという家族の声も無かったほどだ。「秋茄子の剪定はしない」のブログでも書いたように1株からものすごく出来るナスは少量栽培に徹している。だから泥棒に盗まれる分まで栽培していないのである。
トマトは家族が好きで量に糸目をつけずに栽培してもよいという許可を貰っているので大玉トマト「麗夏」とミニトマト「アイコ」はカラスにくれてやるほど栽培している。収穫をサボり、半分以上は熟してマルチに落ちて廃棄にまわる。だから泥棒にとられてもよく分からなかったのである。
昨年のキュウリは「フリーダム」と「味サンゴ」を各々10株ほど栽培したが、収穫できたのは「味サンゴ」ばかりであった。「フリーダム」はカラスの食べ残しや、取りにくい位置のものが収穫出来ただけであった。泥棒は「味サンゴ」より「フリーダム」を気に入っているようだ。
それは、味もさることながら、「味サンゴ」は収穫するとき、素手だと手が痛くなるためだと推定している。四葉胡瓜系なので表面にトゲがあり、それが刺さるのである。食べる頃にはトゲの勢いがなくなるが収穫時にはつらいのである。
今年の7月上旬、家庭菜園用の支柱に固定された目の細かいネットを、自分の畑に張り巡らし、出入り口には鍵で施錠した人が現れた。毎日、毎日畑に来る「時持ち、金持ちの爺さん」だ。
昨年の冬、この人のネギが盗まれた話を情報通のMさんから聞いていた。秋冬野菜は成績がいいようだが夏の果菜類はさっぱり出来ないのに、なぜ、そんな大掛かりなものを作ったのかと思ったがすぐに理由は分かった。
「夏はスイカ」で書いたブルーシート栽培法のスイカが順調に育っているようなのだ。世間では梅雨の豪雨で大変であるが、ここでは雨が降らず空梅雨なのである。だから大事なスイカが盗まれないようにカラス対策用ネットの他に泥棒対策用の柵をしたものと考察した。
先週の週末、その柵に気付いたJさん夫妻に、毎日来る人がなぜ柵をしているのかを聞かれた。彼のネギが盗まれた話をした。そして、俺のナス、キュウリが昨年、盗まれた話もした。
ご主人は俺に、こんな弱い柵は簡単に破られると言い、それから、俺の脚立が盗まれた時と同じようにスイカの上に吊るしてあるカラス対策用の偽カラスを指さがしながら『頭の黒いヤツは騙せない』と嘆いていた。キュウリやナスの為に頑丈な柵は出来ないとも言っていた。
奥さんはご主人に聞こえないように『ウチは大丈夫、美味しくないから』と、俺の野菜は美味しいと言われた。だから狙われると言われた。
この農園に来たとき果菜類の栽培方法をご夫婦に教えた。お孫さんが多いので俺の出来すぎた野菜もさし上げた。でも、ご主人が腕を上げて、たくさん収穫できるようになったのでその後は、差し控えているのである。無用な争いを避けているのだ。
美味しいから狙われると言われてもそのまま野菜泥棒に好きにさせる訳にはいかない。実は対策は、すでに実行されており、今年は、結果は上々なのだ。
出張が無くなり、自宅に帰れるようになった。車で帰るとき、畑によって収穫をこまめにするようにした。それと各野菜には分からないように対策が施されているのである。
トマトは栽培量で対処しているので例年どおりである。
キュウリは「フリーダム」が見つからないように栽培している。混植栽培し、「フリーダム」の周りにトゲトゲの「味サンゴ」を配し、剪定もほとんどせず、泥棒が欲する本命が用意に見つからないようした。これはカラスにも効果があり、「フリーダム」を食べられる事が大幅に減った。
次はナスである。昔のように栽培量を増やす手立てもあったがそれでは進歩がないので他の方法を取った。ナス自身にトゲを持った新品種「ごちそう」水ナスタイプを栽培の中心に据えたのである。『やわらかい、甘い、ジューシー、とにかくウマイ』というキャッチコピーに釣られて試すことにしたと春に書いたが、本当はへたの部分や葉、茎のトゲが気にいったのである。
野菜泥棒と言っても俺の小屋のデッキで飯を食い、ついでに野菜を収穫して行く計画性の無いヤツだと思っている。コソ泥には、この程度の対策で十分だと考えたのである。

ところが、である。今週の火曜日会社の帰りに収穫に畑によるとカラスどもが俺の小屋の屋根でなにやら食べていた。カラス対策の不十分なSさんのトウモロコシを食べているものと思っていたら、「ごちそうナス」が食べられていたのである。カラスにはトゲは利かないのである。
木曜日にも畑にいったところ「ごちそうナス」の被害はさらに拡大していた。カラスにも好かれる本当に美味しいナスなのである。
上手くいけばいったで、新たな問題が生じる。課題はつきない。
PDCAサイクルを回せねば。
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*補足
PDCAの内容を理解して、日常生活、受験、仕事に実際に使われていている方も多数いると思いますが、知らない人の為に少し説明をします。
計画(Plan)→実行(Do)
↑ ↓
是正(Action)←検証(Check)
このサイクルをPDCAと言います。
言葉を知らなくとも実際に日常で使って課題を解決しているでしょう。当たり前の事です。成功物語である「龍馬伝」も「ゲゲゲの女房」も書かれている内容はPDCAです。夢想していたら成功したわけではないですよね。
日本の政治の世界はPだけのような気がします。少しも実行に移らず、だから次の検証も出来ず、話を摩り替えてまた、Pに戻ります。これではいつまでたっても課題は解決できないし、争点も見えません。試さないのだから失敗はありませんが、先送りだからますます、課題が増え、大きくなるばかりです。
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