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2017年5月26日 (金)

モネ風の池でコイを飼う

 日当たりが悪く、睡蓮も咲かない。駐車場の片隅にあるので目が届かず、大量投入したメダカ達も殲滅させた。モネ風の池。

 

 昨年の初冬、反省した俺は池を復活させるとこのブログで報告し、心のバランスを保った。メダカではなく、鯉を飼うと家族にも宣言したのであった。

 

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 ところが俺の志に、娘達がコイを飼うことに猛反対したのである。「猫のレストランでも開くつもり」。俺の庭を猫がトイレにしていたのだった。

 

 「池の周りに柵をして、猫除けの強力薬剤を散布して退治する」と俺は反論した。猫ごときに俺のやることを制限されたくなかったのである。「鳥も食べにくるよ」と続けて次女に言われた。友人の家の池に渡り鳥がやってきて、錦鯉が食べられる話を聞かされた。

 

俺は「水辺を優雅に泳ぐコイに癒されたいのだ」と娘達に俺の心情を語ったのだった。「若い人は恋をして、オヤジはコイを飼う」と信念を曲げない俺に次女はそう言って鉾を収めた。

 

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 池をデッキから見える位置に作った。朝日があたるので水連の花を楽しめるはずだ。全面にネットをすると泳いでいる鯉や睡蓮が見えなくなり美しくないので周辺に柵をした。

 

 熱帯魚や金魚を扱っているペットショップなどに下見に行ったりしたのだが鯉は扱っていないとあっさり言われた。困っているとアメリカの金持ちが日本に鯉を買いに来て、空輸するというテレビを見た。鯉の搬送が心配だったが、安心して通販で10匹買うことにした。鯉は寒さに弱いらしく、春まで待った。

 

 発注した日に睡蓮鉢からこぼれた土を取除いた。昨年、人気になった池のように透明度を高めたかったのだ。

 

 満をじして送られてきた鯉達は黒い一匹は腹をだして弱っていた。その鯉を塩をいれたバケツに移して玄関で看病することにした。子供の頃、金魚が弱ると塩水に入れると元気になる経験を思い出したのであった。

 

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 睡蓮の植えてある土が池に拡散しないように注意しながら女房に手伝ってもらい鯉を池に移した。ところが放たれた鯉達は俺の気遣いも関せず、睡蓮鉢の土を吸っては吐いて煙幕を張ったのであった。

 

 夕方、池で弱っている鯉を2匹見つけた。一匹は救助出来たが、もう一匹は取り逃がした。翌朝、女房が騒いで俺を起こした。池で鯉が浮いているという。昨日、自殺行為を案じた鯉であった。玄関で入院中の鯉2匹も死んでいた。

 

 入院ではなく、看取りのようであった。早朝から忙しくしている俺を見て「パパ 癒されている?」と声をかけて次女が通学していった。

 

 更に翌朝、また池の鯉は2匹弱っていた。三女がネットで調べた「塩水の最適量は0.5%」だと言っていたのを思い出し、正確に塩を計量したバケツに弱った鯉を2匹移し、元気に回復させた。写真をLINEに添付して娘達に送りつけた。

 

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 夜、安堵の表情を浮かべてくつろいでいると「救えたであろう3匹を死なせた医者の心境」と次女がまたしても俺に毒を吐いた。翌朝、介護のかいもなくバケツの中で、また一匹死んでいた。

 

 俺は無力だ。バラも枯らすし、家庭菜園でも失敗する。生き物の生死をコントロールするなんておこがましい。諸行無常を感じながら鯉達を次女の窓辺から見える木の根元に埋葬していった。

 

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 雨が降った翌朝、墓標にした木に花が一斉に咲いた。6年目にして花を初めて咲かせたのである。

俺は花咲か爺さんだったんだ。

俺の悲しみを癒すかのように白い花が風に揺れている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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