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2011年6月 5日 (日)

「微笑みの花壇」の終焉と微笑ましい出来事

昨日、「微笑みの花壇」の小道を作っていたレンガを片付けた。秋に引っ越しをするので、夏秋花壇は行わない事にしたのである。

 

 10年前、社宅の荒れ果てていた花壇にレンガで小道を作って花や木を植えたら、小学校入学前の小さな子供達がやってきて、楽しく遊んだくれたことから「微笑みの花壇」と名付けた。毎年、幼い子供達がやってきては巣だっていった。成長した子供達はこの花壇を見ながら小学校へ通うようになる。

 

今年の春先のことだ。小学校、低学年の男の子達が「微笑みの花壇」の周りで遊んでいるのを見かけた。こちらからはあえて様子を伺わないようにしている。子供達の世界を邪魔しないことにしているのである。それから、彼らが何回か来たようであった。卒業生が母校を訪れる感覚で「微笑みの花壇」に来たと俺は思った。

 

ゴールデンウイークに長女と家でノンビリしていたところ、また「微笑みの花壇」に人の気配がした。男の子と母親らしき人が花壇を見て周っていった。きっと、こんな花壇を作ってほしいとお願いしたに違いないと、それを長女に自慢した。

 

その数日後、女房から男の子達が社宅の空き地に秘密基地を作って、お宝を集めている話を聞いた。引っ越しをしていた人達の忘れ物や大人から見れば、いわゆるゴミを集めていたのだ。その中に干支の小さな焼き物があった。

 

人様のものを勝手に持ってきたと思った母親がその持ってきた場所を確認しにいったのだと言う。その場所とは「微笑みの花壇」の周りであったのである。

 

 干支の焼き物をひとつ見つけたら、円を描くように十二支全てがあった。他にもきれいな石等のお宝が次々に見つかった。彼らは興奮し、何度も採掘に来たそうだ。その干支の焼き物の底にカタガナで長女の名前が彫られているのに気づいた母親が女房に知らせてきた。女房は幾つかの子供相手のボランティアをしているので、その母親とは知り合いだった。

 

焼き物の干支は長女が中学の美術部時代に作成したものだった。俺の育てた野菜とスーパーの野菜の味の違いを見抜いていただいた代々のハムスター達の墓を「微笑みの花壇」の周りにある大きな木の根元に作った。そこに俺の娘達が、それぞれの思い出の品をその墓にお供えしたものである。5年後、それを少年達がお宝として掘り出したのであった。

 

実は彼らが頻繁に来たのは俺の花壇を見に来たわけではなく、宝探しに来ていたのである。映画「禁じられた遊び」のようにペットの墓を飾りたてるのは女の子の通る道のようだ。そして、男の子は秘密基地を作り、宝探しに行く。

 

女房も子供の頃、娘達と同じようなことをしたと言っていた。俺も彼らと同じように秘密基地を作り、ワクワクした。その延長線上に俺は山登りに目覚め、より難度の高い山を目指すようになった。そして、結婚とともに、それも下火になり、子供の手が離れたぐらいから園芸、家庭菜園と夢中になるものが移って行った。彼らが園芸に興味を示すのは30年後だろう。

 

「微笑みの花壇」はこれで終わりである。でも、庭造りは続く。新居では家庭菜園の他にもバラを中心にガーデニングをすると決めている。家の前の通りは市の中心地の大通りで、フェンス一面をバラで飾り、車の渋滞を起こそうと狙っている。それに、家の隣が総合病院の駐車場で体の悪いお年寄りがやってくる。彼らを癒せる庭を造ろうと思っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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コメント

初めまして。スイレンと金魚について検索していたらゴザエモンさんのブログにたどり着きました。2007年からずっと続けられてるんですね。とてもすごいことだと思います。私は現在海外に住んでいて、エッセイが大好きな私はゴザエモンさんのファンになってしまいました。ブログ更新、楽しみにしてますね。

投稿: matsu38 | 2011年6月 8日 (水) 11時43分

matsu38さん

 コメントありがとうございます。友人に勧められて家庭菜園のブログを中心に始めました。野菜の栽培法について書いたブログは人気が高いです。読んでいただいている方には申し訳ないのですが、実はそれには、あまり力をいれていません。本当は matsu38さんが楽しんでいただいたエッセイこそ私の意図するところです。際立った出来事がなくとも、暮らしの中にも面白いことが沢山あると思っています。それをブログにしたいと思っています。

投稿: ゴザエモン | 2011年6月 9日 (木) 19時07分

お忙しい中コメントの返事ありがとうございました。私もいつか、このやせた土地で(ラスベガス=砂漠)家庭菜園をしてみたいなと思っているのですが、最近購入したスイレンの花さえも咲かせることができないので、まだまだ色々と勉強しなければなりません。沖縄にいる父が家庭菜園にこっているので、父が遊びにきた時には色々と教えてもらおうと思ってます。
ゴザエモンさんのおっしゃる通り、日々の暮らしの中にあるふとしたことを楽しく感じたり、ありがたく思えるって幸せなことだと思います。私にも思春期の娘がふたりいますが、この子達も、ふとしたことでも幸せを感じ取れる子供達になってほしいなって思ってます。
これから暑くなると思いますので、お体にはくれぐれも気をつけて下さい。

投稿: matsu38 | 2011年6月11日 (土) 14時47分

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