秘密の竹林でタケノコ堀り・・・第6話
タケノコ堀りは強い運を持った者だけが収穫できる野菜だと思っている。タケノコ堀りに、さしたる技術は必要ない。竹林でタケノコを「見つられるか」「見つけらないか」で決まる。これは、「運」だ。
俺は運が悪い。 市原の社宅に引っ越して以来、家族と近くのスーパで年末の抽選会を行っている。当たったためしがない。宝くじは勿論、懸賞にも当たらない。
ところが我が家の末娘はこの抽選会で魚沼産コシヒカリ、酒、りんごを当て続けている。昨年など2回抽選して2回とも当てた。他の2人の娘もメロン、ミカンをそれぞれ、当てている。俺と女房は運に見放されている。
同じ遺伝子を持ち、一緒に生活しているのにこの違いは何か?
おれは遂に見つけたのだ。それは「欲」だ。末の娘には欲がない。
長女が当てたときは、妹のようには行かないと思って抽選したところメロンを当てたのだ。無欲の勝利と言うやつだ。
タケノコ堀りには苦い思い出がある。社宅内にある「オオカミ公園」の崖に広がる竹林でタケノコが取れると言う話を聞きつけ、家族で「タケノコご飯」の話をしながら向かった。シャベルを持って、うろつき回ったが、一本も取れなかった。すでに、多くの人達に取られた後だった。
それ以来、竹林といえば農園で使う竿を取りにいく場所であった。でも、さりげなくタケノコも探していたのだ。だが、何時しかタケノコ堀りの事は頭の中から消えていた。タケノコ堀りに対する欲は無くなったのだ。
先々週の土曜、タケノコを60Kgも収穫してきたMさんご夫婦に、山の農園であった。そこで、タケノコとウドを貰った。Mさんの奥さんが見つけた「秘密の竹林」があることを教えていただいたのだ。
そこは「オオカミ公園」の崖の下。即ち、下の道から藪こぎをして崖を登るのだ。『入り口は山屋なら分かる』とMさんの言葉に血が騒いだ。封印していたタケノコ堀りを解禁したのであった。
ゴールデンウィークのメインイベントとして家族で行った。
ご夫婦は山の先輩であり、私も30年近く山をやっている。こんな急な藪道はお手のものである。ただ、家族は苦労するかなと思ったが昨年の知床 ラウス岳登山の経験が生きた。
「秘密の竹林」はタケノコの里であった。雨後のタケノコとはよく言ったものだ。次から、次へと見つかるので、掘るのが追いつかないくらいだ。あまり取りすぎても処理も大変であるし、食べきれないので20Kgで止めておいた。「欲は運を亡くす」。
来年もタケノコ堀りは貰ったようなものだ。
なぜなら俺には「運」がある。
無欲の勝利がある。
『タケノコ見つけるべし!』
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